考える力とは?『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』【書評・感想】
考える力とは?『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』【書評・感想】
カンボジアで生活を始めて2年4ヶ月が経過しました。日々の業務については問題なくこなせていますが、
淡々と業務をこなす日々に変化をつけたいのと、コロナの影響で解雇、雇い止め等の
ネガティブなニュースを見るたびに、このまま会社でぬくぬくと雇われているだけで大丈夫なのかという危機感を抱くようになりました。
自分の頭で考えて、ゼロからイチを生む能力をつけていかなければ、
5年後、10年後と非常に苦労する
人生を歩まなければならないのではないかと心配になっています。
そのためにまず「考える力」とはどういったものなのか、それを知るために本書を読んでもみました。
こんな方におすすめ
・自分で考えることが苦手な人
・マニュアルからはずれた考え方ができない人
『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』の概要
「自ら考え、創造する力」―このスキルこそが、先の見えないこれからの時代には必要不可欠だ。しかしこの能力は、生まれつきのものではなく、意識的な訓練によって鍛えることができる。本書は、東京大学の教授が、立ち見続出の人気講義をもとに、“思考のトレーニング方法”を誰もが実践できるよう、やさしく解説したもの。本当に役立つ知恵が身につくだけでなく、考えることが楽しくなる一冊。
内容(「BOOK」データベースより)
・そもそも考える力とは?
学校で鍛えられる能力は、問題ありきでルールや枠組みがはっきりしている想定内の場面で力を発揮し、効率よく成果を上げることができる力である。
これをこの本では「マニュアル力」と呼んでいる。
しかし実社会では問題を提示される前に、自ら問題を見つけなければならない場面に度々遭遇する。考える力とは物事の本質を見抜き、自ら問題をみつけ、独自の方法で問題を解決する力である。これを自ら考え、創造する力と呼んでいる。
→この内容について100%同意で、会社から課題を与えられてそれに対して
問題解決をする仕事内容だと、会社に対して利益を作っているかもしれないですが、
本当の意味での問題解決力は身につかないのではないかと思う。
・「自ら考え、創造する力」は3つの要素からなる
- 問題を見つける力
- 解く力
- 諦めない人間力
実社会において1の問題を見つけるのが一番困難であり、ことのときに考える力が必要となる。
・問題を見つけるためのコツ
日頃から疑問を大切にする習慣を大切にし、自分はいつも何かを考えていると自覚する。この思考が受け身のマニュアル型から、自ら考える疑問発露型へ変えていくことにつながる。思考に行き詰まったときは、自分は今なんのために考えているのか?と、
原点に立ち返るのも大切である。
→がむしゃらに何も考えず、進むのが一番危険で時間を無駄にする行動だと思う。
目的を決めて、それに対して最短距離で進むのが、問題を見つけるための近道だと思う。
・分からないは3つのパターンに分けられる
1. 事実を知らない
2. 答えがわからない
3. 何がわからないのか、分かっていない
3の「何がわからないかわからない」が一番厄介でこのパターンが一番多い。
何がわからないかわからないを明確にするのが「問題を見つける力」の最も肝心な部分。問題を見つける力とは、漠然としたわからない状態を、何が問題か理解しているが、その答えがわかない状態に進化させること。何がわからないかがクリアになれば、何を調べるべきか、誰に聞くべきか、道筋が見え、答えにたどり着くことができる。
・解く力
解く力の重要要素は類型化してシンプルにすること
複雑な問題は「要素」に分解し、一つ一つ解決可能なものから解決していく。
その中で再び複雑な問題に当たれば更に分解して、問題の本質を見つけていく。
これを繰り返していくことで、問題の本質にたどり着くことができる。
・諦めない人間力
答えがすぐに見つからない問題に取り組むのは、「考える力」を鍛えるだけでなく、
競争相手の少ない、独自の問題に取り組んでいるということ。
これがイノベーションにつながる。また自分自身で見つけた問題は、持続的に集中し、
考え続ける事ができる。
→これは実体験として、上司から与えられた業務より、自ら顧客を開拓し、
受注できた案件のほうがモチベーション高く取り組むことができると実感している。
本書を読んで、実務上、マニュアル力に頼り、杓子定規の業務をこなしているな
と感じました。終身雇用が保証されている時代ではマニュアル力で問題なかったかもしれませんが、このご時世自ら考え、創造する力は必須で、必ず身に着けなければならない力だと思いました。