SIMPLE RULES「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える【書評】

SIMPLE RULES「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える【書評】

〜シンプルであることは、複雑であることより難しい〜

今回の記事では、SIMPLE RULESをご紹介します。 

どんな本なのか?

この本はワシントン・ポスト』紙、『タイムズ』紙、『ビジネスウィーク』誌、激賞をとった本で、著者のサル・ドナルド氏は全米屈指のビジネススクールであるマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン校上級講師、アイゼンハート・キャスリーン氏はスタンフォード大学工学部教授。その他の著作に『変化に勝つ経営』(ショーナ・ブラウンとの共著、トッパン)があり、「マネジメント思考」の分野に大きな貢献をしたとして、「George R.Terry Book Award」(マネジメント学会主催)を受賞しました。

そんな方々が、実際のビジネスでの成功事例を交えて、シンプルなルールについての
基本ルール原則、ルール設定の方法をまとめてくれている本です。

 

 

本書の結論

シンプルなルールを設定するのは複雑なルールを設定することより難しいが、
それだけの価値はあるということです。


この本を読んで得られること

シンプルなルールとはなにか、シンプルなルールをつくるポイントを
具体例を交えて理解できます。


どんな悩みを持つ方におすすめか

・経営者
・管理職でルールや制度をつくる立場の人


本の目次


1 すべては「スピード」「実行力」「柔軟性」

2 まず「いちばん大切なこと」を見わける

3 ルールを最少まで絞りこむ

4 アクション前に押さえておくべき「4つの基本」―――実践編

5 仕事の現場でどう活かすか―――実例編

6 「最良の選択」を可能にする―――人生設計編

7 激変の時代にこそ役立つ「弱点の強み化」

8 成功者は、つねに「ゼロベース」に立ちかえる

 

〜個人的に印象が残ったポイントを3つご紹介〜

その1:仕事であれ、私生活であれ、なんらかの結果を出したいと思うとき、あるいは問題や悩みを解決したいとき、ズバリ効果があるのは「シンプルなもの」だけだ。
(本書抜粋)

複雑に様々な要素が絡み合う組織では、日々流れてくる情報にその都度振り回されていれば、意思判断に時間がかかるうえ、適切な判断ができません。枝葉末節より根幹の部分の重要な物事に焦点を絞ることが重要となります。根幹の部分に当たるシンプルなルールの4大特徴は

1. ルールの数が少ない

2. 使う人によってカスタマイズできる

3. 具体的であること

4. 柔軟性があること

以上の4つの特徴となります。

本著ではミツバチを例に出しており、ミツバチの集団にはリーダーがいませんが、
シンプルなルールに従って秩序ある社会を構築しているそうです。
言葉を使用せず厳しい自然で生きていくことで、シンプルなルールとともに進化していったのではないかと考えられます。自然界からも人間が学ぶべきものがあると考えされられました。 


その2:6つに分けられるシンプルなルールのカテゴリー

1. 境界線ルール

2. 優先順位ルール

3. 停止ルール

4. ハウツー・ルール

5. コーディネーション・ルール

6.  タイミングルール


以上6つのルールに沿って、物事の決断と推進を行います。
特に個人的に印象に残ったのが、停止ルールとタイミングルールです。
停止ルールは物事のやめどきを見きわめるルールです。
状況によっては意思決定を行う基準を変えることも大切な戦略となります。
例えば、投資では損失が10%になる前に損切りをする、等です。
また、日常の悪習慣を変えることにも役に立ち、例えば健康のために午後6時以降は飲み物以外
口に入れないのようなルールです。
タイミングルールでは映画会社ピクサーの例で説明されています。
ピクサーは新作映画を公開するタイミングを決めているそうです。そのため社員たちは
リズムに乗って仕事を進められるようになっているそうです。


その3 :状況に応じてゼロに立ち返ることも大切

"ルールを新しくつくりかえるときは、この潔さが重要だ。
ゆっくり行動すると、必ずためらいが入って、過去のルールと現在のルールのあいだで
身動きが取れなくなる"(本著抜粋)
過去の経験にしばられず、ときにはフットワーク軽くプライドを捨てて、
新しい環境変化への対応することが重要だと思いました。


今すぐ何をすればいいのか?

本書ではサラリーマンで部下を持つマネジメントする立場の人や経営者に共感できるポイントが含まれていると思います。是非一読されることをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、SIMPLE RULESをご紹介しました。
今回ご紹介したポイント以外にシンプルなルールの具体例がそれぞれ網羅されているので、仕事上のルールづくりのヒントになるかと思います。組織をマネジメントしていく上での教科書的な役割で手元に置いても良いかと思います。